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 傘を叩く雨粒の、どことなくリズミカルな音を聞きながらフェリオは、ただ道を歩いた。脇に抱えた袋から、思い出したようにおにぎりを取り出し、頬張る。
 女性のくれた袋の中には、彼女のおやつなのか、夜食なのか、大きなおにぎりが入っていたのだ。風が差し入れてくれた事もあったので、フェリオにも馴染みのある料理だったので、空腹な事もあり遠慮なく頂く事にした。
 小さく指先で千切りながら、口に運べば、塩の加減は舌に馴染んで素直に美味いと感じられた。きっと料理上手に違いない。そんなところも、カルディナに良く似ていた。豪快な彼女の笑顔が、先程の女性に重なる。それだけで、温かな想いが胸に広がった。
 空腹を満たしたというだけではない。温かみ。
 この世界が冷たいだけのものであるはずがない、風の生まれ育った場所なのだから。
 彼女の強さも、優しさも、周囲の温かな想いを一身に受けて、大切に育まれてることによって生み出されたものに違いないのだ。そうして育った綺麗な笑みを、彼女の周りにいる家族や友人達を望み、守っている事だろう。

 それを恋をしたからという理由で、自分は奪い去ろうとした。
いや、実際に奪った。
 努力して、この世界に来るだけの魔力を手に入れた事が、何に対しての免罪符だと、自分は思っていたのだろうか。一方的な思いを押し付ける事は止めようと、そう固く誓ったつもりだったのに…。
 最後の一欠片を口に放り込み、名残おしげに指先を舐めた。

 受け入れなければならないとフェリオは思う。
 突然の雨が、確かに自分を濡らしていたように。けれど、そんな自分に確かに差し伸べられた手はあるように。
 自暴自棄にならず、逃れられない現実を(それ)と認めて、心に折り合いをつけなければならない。

 フウは確かに、もう来ないでくれと泣いた。これは、揺るぎない現実だ。

「…セフィーロに、俺は…。」
 ポツリと呟けば、何故が浮かぶ安堵の気持ちが不思議だった。

 帰ろう。

 それが、風に対する唯一の誠意であるようにも、フェリオには感じられた。

 

 目の前に示された真実が一緒でも、気持ちの持ちようで受け止める『現実』は簡単に変わってしまうような気がします。相手が側にいてくれないと、想像で隙間を埋めていくしかないので、余計にそうなのかも…というお話でした。
 遠距離恋愛の醍醐味だと思います(違うだろ・苦笑)
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此処へ書き込みをしないまま寝てしまいました。
どんだけ疲れるんだか~dondake~

・レイアOVA 追記しました。

・アビス日々更新分「君のためにと嘘をつく」続きをアップ

・逆裁★にリクエストがありましたので、没部分を追加しました。
これで大きな削除部分はありません。
あれにこれを追加したと想像してください。ぞっとするような頁数になります(苦笑

昨日は騒いですんません。
通常の10倍のアクセスだったんで、完全にお尻ビビリ虫が発生してました。今日は普通でしたので気にしてコメントを下さった方貴方のせいではありません、大丈夫です!

さて、後始末(?)も終わったので
成響と大正浪漫パラレルを頑張ります。
本当はすっげ~~~~裁きに出向きたいのですが
仕事の都合上絶対無理なので、今回も行きたいよ記念でアップできればいいなぁと思ってます。
私が経験者(本を作るの、ですよ)なら、委託とかお願いしたいのですが
全くの素人なので難しい…トホホ。
サイト更新も頑張りますね。


あ、ウパラサーチが閉鎖なさったんですね。
知らなかった…。いままでお世話になりました。
ありがとうございました。
もうちょっと外さないでつけさせてくださいね。
・長編[rayearth ova]
ちょびっとでも前進(苦笑
書かない小説は終わらないので、せっせと頑張ります。


拍手パチパチありがとうございます。


ブログリの管理メニューが変更になったので
久しぶりに覗いてみたらば、アクセス数に目が点になってしまいました。
…どっかに晒されてとか、ないですよね?(泣
もしも、あちらも覗いていて、此処を読んでくださっている方がいらっしゃったら拍手にでも、読んだぞとコメント入れて頂けないでしょうか?
よろしくお願い致します。


此処から下はお返事になります。












 人は無力になれば、何かに縋り祈る事しか出来なくなる。その心情を、クレフは悟った気がした。
 まさか、と疑う。そんなと、否定し、何故だと問い掛ける。

 長い纏。短い髪。細く均整のとれた肢体。

 床の影はあろうことか、イーグルの姿を模していた。片手に本を持ち、指先で頁を捲る優雅な仕草にも、見覚えがある。
 ゆらゆらと揺れる影に、クレフは目眩を感じる。何かの悪戯なのか、それともこれは現実なのか。
 思わず手を滑らせてしまった杖が、静寂の中派手な音を立てて床に転がった。はっと、それに目を奪われ、しかし、床を転がる杖はそのままクレフは直ぐに顔を上げた。
 白い。
 そう、エメロード姫の色を『金』と例えるなら、イーグルは常に『銀』
白い衣裳と、色を纏わぬ白く細い髪が、クレフの視界で揺れた。
 翠とも碧ともつかぬ瞳が、何故が微笑むように細められた気がした。

「…イーグル…」

 呼びかけようとしたクレフは、しかし其処に何もない事に気づく。

「…っ…?」
 何も無い。先程まで、強烈に感じていたはずのランティスの気さえ、まるで初めから無かったかのように消失していた。
 消失なのだろうか、本当はただの錯覚で、最初から此処には何も無かったというのが真実なのか…。
 背筋に冷たいものが流れていく。悪夢だとしたのなら質が悪すぎる。それも、白昼夢だ。
 悪い精霊にでも、騙されたのだろうか?

 片手で顔を覆い、ふると頭を振った。

 どうやってでも、冷静になる必要があるだろう。クレフは額に滲む汗を拭き取り、自分が来た方向へ目を向ける。それによって、現実。本物の…だが、に戻っていける気がしたのだ。
 そうして、クレフは再び瞠目する。
 長い髪を揺らし、驚いた様子で唇を僅かに開くエメロードが、指先でそれを隠しながら、クレフを見つめていた。

「姫…?」

 今度もまた幻なのだろうかと、クレフは疑う。
しかし、彼女が両手で支えるように持っていた本が、何処からともなく入り込んだ風によって、バサバサと頁を捲る様を目にして、それが紛れもなく現実であると、クレフは確信した。
 それと同時に、彼女の細い指先がクレフの額に張りついた髪を撫でつけたので、少し冷えた指がクレフの意識をはっきりとさせた。

「どうなさったのですか? 幻覚でもご覧になったような顔ですわ?」
「まさに、そんな感じです。」
 クレフは上擦った声で答え、取り繕うように笑みを浮かべた。

 ランティスの魔力に、イーグルの幻。

 何をどう取り繕うとも、悪夢の類に違いない。
クレフは、ほおと息を吐きゆっくりと歩き出した。しかし、エメロードは、クレフが幻を見たあたりに気ぜわしく視線を送り、動こうとはしなかった。
「姫。」
 こんな場所に、大切なエメロードを置き去りにするのが心に掛かり、クレフは彼女を呼ぶ。幻とはいえ、彼女を翻弄した弟君。
 不吉なものを感じないと言えば、嘘になった。
 
「私は、この本片付けてから参りますわ。」
 そして、美しく微笑むと彼女はクレフと反対の方向に足を向けた。 
昨日もバタバタ。
更新できたといえば、逆裁の★にお約束の文をのっけただけです。

本当は
ノー残業デーなんですけどね。世の中せちがらい…(涙
レス遅くなってて申し訳ありません。
今日こそ。今日こそ。

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