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・長編/Rayearth story〈f〉の続きをちょっとだけ
連載物を頑張ろう!という意気込みだけ…随分更新してなくてすんません。
・abyss思いつきの短編
まぁ、ギャグです(笑
パラレルの続きは、ぼちぼち書いてるんですが思ったよりも時間かかりそうで…うん。そのうち出せるように頑張ります。
連載物を頑張ろう!という意気込みだけ…随分更新してなくてすんません。
・abyss思いつきの短編
まぁ、ギャグです(笑
パラレルの続きは、ぼちぼち書いてるんですが思ったよりも時間かかりそうで…うん。そのうち出せるように頑張ります。
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執務室にペンを走らせる音だけが響く。真剣な顔で机に向かうフェリオの姿を見ながら、海が風に耳打ちをした。
「仕事してる男はひと味違うっていうけど嘘じゃないわね。」
「え?何、それどういう意味?」
「まぁ、要するに鼻の下を伸ばしているばかりが男じゃあ無いって事かしら。」
「あの海さん、それは…。」
「おい…。」
今まで、微動だせずに書類に向かっていたフェリオが、額に手をあてて唸った。見れば、眉間には大きな皺が刻まれていた。
「…お前ら何がしたいんだ? 邪魔か、それとも…。」
呆れた声で捲したて、椅子から立ち上がったフェリオの言葉が、風を凝視した途端止まった。
そこを視点に、左右に目線を振ってから顎に手を置き、ニヤリと笑う。
「今日はやけに美人じゃないか? なんだ、これなら居残りも大正解だったな。」
「もう、わかってるじゃない。フェリオ」
海は腰に手を当てくるりと廻って見せる。光は苦笑い、風は頬を赤くして沈黙した。三人の側に寄ったフェリオは、光の表情が曇っているのを見遣り、再び眉を顰める。
そうして、光の頭をくしゃっと撫でた。
「ああ、ランティスがいなくて悪いな。夜には帰ってくる予定だから。」
少し頬を染め、光はふるっと首を振った。
「違うんだ。フェリオまた何かって思って。」
光の悲しそうな顔を見てフェリオは少しだけ困った顔をする。そして、両手を光の肩に置いて微笑んだ。
「そんな顔するな。俺は元気だ。只、急ぎの仕事があったのと…。」
「光!!来たわね!!!」
鼻先に飛んできた妖精に、光は驚いて目を見開く。
「プリメーラ!!」
「昨日から纏わりつかれてるんだ。こんな状態で、他国の戦艦に行く訳にもいかないだろう? だいたいプリメーラもランティスについてりゃいいのに。」
「ランティスはぷいっと何処かにいっちゃうもの。王子の側で牽制してた方が確実だわ!」
「わかった、わかった。」
呆れたように、額に手を当てると頭を振る。そして、じっと黙っている風に気付き、フェリオは首を傾げた。
「フウ?」顔を覗き込むと、風は驚いて顔を上げた。
「どうかしたのか?」
「いいえ。何でもありませんわ。」
そう言いながら何処かおかしい表情にフェリオは眉を顰めた。
「フウ、二人で話さないか?」
「え…でも、海さんのケーキが…。」
戸惑う風の手をフェリオはとった。
「海のケーキは魅力的だが、俺達だけで食べるわけにはいかないだろう。後で皆で食べればいい。光、海、ちょっといいかな。」
「ええ、構わないわよ。ね、光。」
「うん。風ちゃん行っておいでよ。」
「すみません。」
申し訳なさそうに頭を下げると、光と海は笑顔で手を振る。フェリオはそのまま風の手を引き部屋を出る。ついて来そうな妖精には釘をさした。
「プリメーラ、本命の光が来てるんだ。今は俺についているより、光に張り付いていた方がランティスの出現率は高いぞ!」
熊か猪のような言われように光は噴出した。プリメーラはそんな光を見てから、ぷうと頬を膨らませた。
「王子!ランティスの本命は私よ!!」
「仕事してる男はひと味違うっていうけど嘘じゃないわね。」
「え?何、それどういう意味?」
「まぁ、要するに鼻の下を伸ばしているばかりが男じゃあ無いって事かしら。」
「あの海さん、それは…。」
「おい…。」
今まで、微動だせずに書類に向かっていたフェリオが、額に手をあてて唸った。見れば、眉間には大きな皺が刻まれていた。
「…お前ら何がしたいんだ? 邪魔か、それとも…。」
呆れた声で捲したて、椅子から立ち上がったフェリオの言葉が、風を凝視した途端止まった。
そこを視点に、左右に目線を振ってから顎に手を置き、ニヤリと笑う。
「今日はやけに美人じゃないか? なんだ、これなら居残りも大正解だったな。」
「もう、わかってるじゃない。フェリオ」
海は腰に手を当てくるりと廻って見せる。光は苦笑い、風は頬を赤くして沈黙した。三人の側に寄ったフェリオは、光の表情が曇っているのを見遣り、再び眉を顰める。
そうして、光の頭をくしゃっと撫でた。
「ああ、ランティスがいなくて悪いな。夜には帰ってくる予定だから。」
少し頬を染め、光はふるっと首を振った。
「違うんだ。フェリオまた何かって思って。」
光の悲しそうな顔を見てフェリオは少しだけ困った顔をする。そして、両手を光の肩に置いて微笑んだ。
「そんな顔するな。俺は元気だ。只、急ぎの仕事があったのと…。」
「光!!来たわね!!!」
鼻先に飛んできた妖精に、光は驚いて目を見開く。
「プリメーラ!!」
「昨日から纏わりつかれてるんだ。こんな状態で、他国の戦艦に行く訳にもいかないだろう? だいたいプリメーラもランティスについてりゃいいのに。」
「ランティスはぷいっと何処かにいっちゃうもの。王子の側で牽制してた方が確実だわ!」
「わかった、わかった。」
呆れたように、額に手を当てると頭を振る。そして、じっと黙っている風に気付き、フェリオは首を傾げた。
「フウ?」顔を覗き込むと、風は驚いて顔を上げた。
「どうかしたのか?」
「いいえ。何でもありませんわ。」
そう言いながら何処かおかしい表情にフェリオは眉を顰めた。
「フウ、二人で話さないか?」
「え…でも、海さんのケーキが…。」
戸惑う風の手をフェリオはとった。
「海のケーキは魅力的だが、俺達だけで食べるわけにはいかないだろう。後で皆で食べればいい。光、海、ちょっといいかな。」
「ええ、構わないわよ。ね、光。」
「うん。風ちゃん行っておいでよ。」
「すみません。」
申し訳なさそうに頭を下げると、光と海は笑顔で手を振る。フェリオはそのまま風の手を引き部屋を出る。ついて来そうな妖精には釘をさした。
「プリメーラ、本命の光が来てるんだ。今は俺についているより、光に張り付いていた方がランティスの出現率は高いぞ!」
熊か猪のような言われように光は噴出した。プリメーラはそんな光を見てから、ぷうと頬を膨らませた。
「王子!ランティスの本命は私よ!!」
仕事の愚痴なんておおっぴらに書くもんじゃあないって事くらい、大人なんだからわかってます。
でも、でも、でも、でも、吐き出さないと溜まる。とどる。
すみません。するーして下さい。叫んでるだけです。
もう帰ろうと思ってたところへ、校了のお達し。
校正紙ないから出してって、ったく~~と出してみれば
『これじゃないよ?』
なんですと!?
『ぶちさんが最初に作ってたでしょ、あれで良かったから。』
…提出した後で、貴方の指示で訂正させられたんですケド…。
『だから、最初の方。』
「…修正したんで、データないですよ…。」
『あ~そうだっけ。ごめんね~いらない手間掛けて。』
「…作り直すんですね…。」
「や~参ったな。」
勝手に参れ、好きにしろ。
直されられた挙句に、もう一度最初のデータを作れだと。
散々駄目だししたのは何処のどいつだ!
こんなのお客さんに持っていけないトカ言ったくせに、持っていったのか、貴様~~~~!!!
畜生。
と思いつつやるしかない。お客さんに罪はなく、納期を延ばす訳にもいかないじゃないか。
もう、ホントナサケナイ。自分がナサケナイ。
私って、パソコンについてるオペレーターってオプションじゃないんだぞ。
もうもうもう。ホントにナサケナイ。
・Forest Story 6 更新しました。
やっと終わりました。ほわいとでーだなんて、貴方(苦笑
これで、やっとFとOVA再開出来ますな。
さてさて、頑張らないと。
ボイス&ロボの台詞に胸がじんとしました。
「自分らしく生きるって事は、自分がやりたい様にやる事じゃなくて、どんな嫌な事でも自分のやり方で最後までやること」
そうだよね。自分勝手は自分らしい…じゃないよなぁ。
すげえ、胸の迫るぞ。困ったな。
奇跡を見るために生きているって言葉も、ぐぐっときました。
溜飲が下がる…というよりは、確かに驚きの方が大きく、フェリオは一瞬目的を忘れた。剣呑に変わったランティスの眼孔にとりあえず思考を取り戻す。と、同時になんとか悪戯めいた表情に戻す事にも成功した。
普段なら即座に見破るだろうランティスは、ただ怒った様子のまま背中を向けただけで。
んだよ、こいつ唯の恋する男じゃねぇか。
胸元にすとんと落ちてきた答えに、フェリオはクスリと笑みを浮かべた。
葉を掻き分けたランティスは、なんのつもりだと、フェリオを睨む。
フェリオの告げた通り空は鉛色の雲が覆い始めていたので、黙って従っていたのだが、辿り着いた場所がヒカルの屋敷だと気付き、動きを止めた。
「俺は雨宿りの場所に心当たりがあると言っただけだ。ヒカルの屋敷の側にある小屋では、何か不自由でもあるのか?」
「…俺は…。」
彼らしくない言い訳を、恐らく告げるつもりだったランティスに、フェリオはしっと口を閉じさせ、耳をそばだてる。
「話し声がする…。」
三文芝居もいいところだったが、そうやって葉越しで、ランティスの視線を屋敷の裏庭に向けさせた。
視線が定まり、ランティスが息を飲むのがわかる。
庭園には、頬を薔薇色に染めたヒカルと、彼女にとびきりの笑みを浮かべるイーグルの姿が見えた。
「へぇ~こうして見ると、イーグル王子とヒカル姫もお似合いだな。王子が姫に婚姻を申し込んだなんて噂もまんざら嘘じゃあないかもな。」
「なんだと…!?」
鬼の形相が振り返る。「本当か!?」
詰め寄る男を交わして、フェリオはちらと意味深に視線を送る。
「知らないよ、兄上に聞いた噂だ。
んだ、お前にも相談なしか?こりゃあ、本当かもしれないな。」
フェリオの台詞に息を飲み、ランティスはもう一度顔をヒカルに向けた。話し声が、湿った空気にのって聞こえてくる。
「ずっと、ランティスが許嫁なんだと知ってはいたけど、兄のようだと、そう思っていた。兄のように大好きだと思っていたんだ。でも…。」
両手を胸元で組み合わせ、ヒカルは必死で言葉を続けた。
「ならば、いいのではありませんか。」
イーグルの細くて長い指が、ヒカルの指を解き、自分の胸元に引き寄せる。
「ヒカル。どうか、私を見ていただけませんか?」
ヒカルは頬を真っ赤に染めて、イーグルの胸元に連れ去られた自分の手を見つめていたが、はっと顔を上げる。
「違うんだ、イーグル。私…。」
口ごもったヒカルに微笑みかけたイーグルは、そのままゆっくりと膝を折る。左手に口付けを落として跪く。正式なプロポーズの申込。
本来許嫁のある身だが、相手が他国の王子では不足はないだろう。此処でヒカルが頷けば、それはそれで丸く収まるだろう。けれど…。
「おい…。」
フェリオの声に、完全に石像にでもなっていたかと思う男が、びくりと動いた。
真横で拳を握りしめていた手を解くと、纏を揺らした。そうして、背中を向けたランティスに、フェリオは溜息をつく。誰にも譲りたくはないくせに、親友のイーグルになら、なんぞと思ってしまったのだろう。
人の事など言えないではないか、不器用な男め。そう思い、フェリオは大きく息を吸い込んだ。
「おお~~い、ランティス! 何見てるんだよ!」
さも、気付いた様に声を張る。びくりと動きを止めたヒカルの様子から聞こえている事は確認済みだ。彼女の側にいたレイアースが、途端に走って来てランティスに威嚇する。
お膳立てはした、危ない橋も渡った。これ以上のトラブルはごめんだと、フェリオは真っ直ぐにランティスの横を通り抜ける。勿論恐ろしい殺気の追尾付きだが、レイアースに牽制されて動けない。フェリオはそのまま庭園に抜けた。
ヒカルから距離を置き、イーグルがにこりと特上の笑みを浮かべていた。フェリオはそれに向かって片目を閉じて見せる。
『ごくろうさまです。』
彼の口が動き終わった頃には、ヒカルはランティスの腕の中に飛び込んでいた。
「駄目だ、レイアース。私の一番好きな人に吠えちゃ駄目だ!」
二言、三言言葉を交わすと、ランティスはヒカルを抱き締める。
ヒカルとランティスが正式に婚約をしたと、フェリオが耳にしたのは、それから直ぐの事だった。
「俺は、王様になんぞなれそうもない。」
躊躇いがちに告げられた言葉に、フウは翡翠の瞳を大きく見開いた。それから口元をおさてクスクスと笑い出す。
綺麗な横顔に見惚れ、しかし、フェリオはむと顔を歪めて視線だけは城下を見下ろすものへと移す。二人の姿は、城の側にある大きな樹の上にあった。
フェリオが続けた悪態も全てを吐き出す前に遮られる。
「確かに、私の伴侶は望む、望まざるに係わらずそういう身分がついてまいります。それは間違いありません。」
そう告げて、フウは微笑んだ。
「でも、私は私が選んだ方の腕を胸を張って組んで参ります。それだけは、誰にも譲れませんわ。」
「強いな、フウは。」
「フェリオ。天下無敵は乙女の特権なんですよ。」
「なるほどね。」
あのランティスや、イーグルでさえ振り回すのだから、確かに無敵なのはヒカルだろう。フウの言葉に妙に納得していると、下からレイアースの声がした。
見ると、ランティスがこちらを睨み上げている。
「フェリオ、この間の礼をしに来た。つき合ってもらおうか。」
にやりと笑う横で、嬉しそうに鳴き声を上げるレイアースが憎らしい。てめぇ、この裏切りもの、俺の居場所を教えやがったな。お前の主人の恋路を手助けしてやったのに、と腹の中で捲し立ててもどうにもならない。
畜生どうしたものかと、正直途方にくれていると助け舟はやってくる。
「人の恋路を邪魔するものは、馬に蹴られてしまいますわよ?」
クスリと微笑んだフウに、ランティスもくくと笑った。
「その通りだ、邪魔したな。」
天下無敵は乙女の特権
彼女になら、一生付いていってもいいかもと、不覚にも思ってしまったフェリオだった。
お粗末!
普段なら即座に見破るだろうランティスは、ただ怒った様子のまま背中を向けただけで。
んだよ、こいつ唯の恋する男じゃねぇか。
胸元にすとんと落ちてきた答えに、フェリオはクスリと笑みを浮かべた。
葉を掻き分けたランティスは、なんのつもりだと、フェリオを睨む。
フェリオの告げた通り空は鉛色の雲が覆い始めていたので、黙って従っていたのだが、辿り着いた場所がヒカルの屋敷だと気付き、動きを止めた。
「俺は雨宿りの場所に心当たりがあると言っただけだ。ヒカルの屋敷の側にある小屋では、何か不自由でもあるのか?」
「…俺は…。」
彼らしくない言い訳を、恐らく告げるつもりだったランティスに、フェリオはしっと口を閉じさせ、耳をそばだてる。
「話し声がする…。」
三文芝居もいいところだったが、そうやって葉越しで、ランティスの視線を屋敷の裏庭に向けさせた。
視線が定まり、ランティスが息を飲むのがわかる。
庭園には、頬を薔薇色に染めたヒカルと、彼女にとびきりの笑みを浮かべるイーグルの姿が見えた。
「へぇ~こうして見ると、イーグル王子とヒカル姫もお似合いだな。王子が姫に婚姻を申し込んだなんて噂もまんざら嘘じゃあないかもな。」
「なんだと…!?」
鬼の形相が振り返る。「本当か!?」
詰め寄る男を交わして、フェリオはちらと意味深に視線を送る。
「知らないよ、兄上に聞いた噂だ。
んだ、お前にも相談なしか?こりゃあ、本当かもしれないな。」
フェリオの台詞に息を飲み、ランティスはもう一度顔をヒカルに向けた。話し声が、湿った空気にのって聞こえてくる。
「ずっと、ランティスが許嫁なんだと知ってはいたけど、兄のようだと、そう思っていた。兄のように大好きだと思っていたんだ。でも…。」
両手を胸元で組み合わせ、ヒカルは必死で言葉を続けた。
「ならば、いいのではありませんか。」
イーグルの細くて長い指が、ヒカルの指を解き、自分の胸元に引き寄せる。
「ヒカル。どうか、私を見ていただけませんか?」
ヒカルは頬を真っ赤に染めて、イーグルの胸元に連れ去られた自分の手を見つめていたが、はっと顔を上げる。
「違うんだ、イーグル。私…。」
口ごもったヒカルに微笑みかけたイーグルは、そのままゆっくりと膝を折る。左手に口付けを落として跪く。正式なプロポーズの申込。
本来許嫁のある身だが、相手が他国の王子では不足はないだろう。此処でヒカルが頷けば、それはそれで丸く収まるだろう。けれど…。
「おい…。」
フェリオの声に、完全に石像にでもなっていたかと思う男が、びくりと動いた。
真横で拳を握りしめていた手を解くと、纏を揺らした。そうして、背中を向けたランティスに、フェリオは溜息をつく。誰にも譲りたくはないくせに、親友のイーグルになら、なんぞと思ってしまったのだろう。
人の事など言えないではないか、不器用な男め。そう思い、フェリオは大きく息を吸い込んだ。
「おお~~い、ランティス! 何見てるんだよ!」
さも、気付いた様に声を張る。びくりと動きを止めたヒカルの様子から聞こえている事は確認済みだ。彼女の側にいたレイアースが、途端に走って来てランティスに威嚇する。
お膳立てはした、危ない橋も渡った。これ以上のトラブルはごめんだと、フェリオは真っ直ぐにランティスの横を通り抜ける。勿論恐ろしい殺気の追尾付きだが、レイアースに牽制されて動けない。フェリオはそのまま庭園に抜けた。
ヒカルから距離を置き、イーグルがにこりと特上の笑みを浮かべていた。フェリオはそれに向かって片目を閉じて見せる。
『ごくろうさまです。』
彼の口が動き終わった頃には、ヒカルはランティスの腕の中に飛び込んでいた。
「駄目だ、レイアース。私の一番好きな人に吠えちゃ駄目だ!」
二言、三言言葉を交わすと、ランティスはヒカルを抱き締める。
ヒカルとランティスが正式に婚約をしたと、フェリオが耳にしたのは、それから直ぐの事だった。
「俺は、王様になんぞなれそうもない。」
躊躇いがちに告げられた言葉に、フウは翡翠の瞳を大きく見開いた。それから口元をおさてクスクスと笑い出す。
綺麗な横顔に見惚れ、しかし、フェリオはむと顔を歪めて視線だけは城下を見下ろすものへと移す。二人の姿は、城の側にある大きな樹の上にあった。
フェリオが続けた悪態も全てを吐き出す前に遮られる。
「確かに、私の伴侶は望む、望まざるに係わらずそういう身分がついてまいります。それは間違いありません。」
そう告げて、フウは微笑んだ。
「でも、私は私が選んだ方の腕を胸を張って組んで参ります。それだけは、誰にも譲れませんわ。」
「強いな、フウは。」
「フェリオ。天下無敵は乙女の特権なんですよ。」
「なるほどね。」
あのランティスや、イーグルでさえ振り回すのだから、確かに無敵なのはヒカルだろう。フウの言葉に妙に納得していると、下からレイアースの声がした。
見ると、ランティスがこちらを睨み上げている。
「フェリオ、この間の礼をしに来た。つき合ってもらおうか。」
にやりと笑う横で、嬉しそうに鳴き声を上げるレイアースが憎らしい。てめぇ、この裏切りもの、俺の居場所を教えやがったな。お前の主人の恋路を手助けしてやったのに、と腹の中で捲し立ててもどうにもならない。
畜生どうしたものかと、正直途方にくれていると助け舟はやってくる。
「人の恋路を邪魔するものは、馬に蹴られてしまいますわよ?」
クスリと微笑んだフウに、ランティスもくくと笑った。
「その通りだ、邪魔したな。」
天下無敵は乙女の特権
彼女になら、一生付いていってもいいかもと、不覚にも思ってしまったフェリオだった。
お粗末!